さて、枝松パネラからは、社内SNSを運営するためにユーザの力を借りた例が挙げられました。
社内SNSに版権キャラクターなどを掲載してはいけない理由を社内に投げかけてみたところ、
知的財産権などに詳しい社員が丁寧な説明を書いてくれたそうです。こうすることでナレッジも
蓄積されるし、EGM自体の運営にもEGMを活用することで、効率的に課題を解決できるという
事例と言えそうです。
また、中沢パネラからは、社員が経営の方針に対して、日記の中で意見を述べているのを目にした
トップが直接コメントで説明を返したということもあったそうです。経営メッセージが正確に伝わる
だけでなく、記事が社員の注目を集めることで、より多くの社員に伝わる効果もあったとのことです。

(クリックして続きを表示)
福岡モデレータからは、以前は中間管理職がトップメッセージを噛み砕いて部下に説明してくれた
が、現在は「Webに載っているから見ておいて」で済ませがちで、部下も右から左となってしまう。
ところが、EGMの友人が記事にすると気に留める、そのような性質がEGMにはあるとの指摘が
ありました。
中沢パネラも、「メールを送れば自分の仕事は終わり」という雰囲気が蔓延している組織において
は、一見無駄に見えるEGMのコミュニケーションにも、前述の経営メッセージの伝播のような重要
な要素が含まれていると述べています。
EGMは、ITの発展系のように思われますが、実はWebやメールなどの従来型ITにより阻害され
つつあるコミュニケーションを再活性化し、人を繋げたり、メッセージをきちんと伝える効果がある
ようです。
つぎに、福岡モデレータから、EGMのリスクがテーマとして出されました。これに対し、中沢パネラ
からは、一社でEGMを運営しているEGMをグループ会社に広げる場合、社外秘の情報をどのように
処理するかといった課題が生じると指摘がありました。また、戸上パネラからは、匿名掲示板では
誹謗中傷は確かに出ることはあるが、運営担当者が説明し削除しているうちに、やがてEGMが
荒れても自浄作用が働き、誰かが終息に向かうように働きかけてくれるようになったとのことでした。
ここで、会場より、「個人に対してならともかく、会社に対する批判的な書き込みはどうなのか?」
という質問があり、福岡モデレータからは、前向きに受け止めて改善していこうという姿勢で削除
しないが、実は裏でファシリテータが投稿者と飲みに行って表現を変えてもらうこともあるとの
コメントがありました。また、池内パネラからは、誹謗中傷などがあると、どんどん別の話題を書き
込んで流してしまおうという動きがあるとのことでした。
このようにEGMに関しては、ユーザも自主的にEGMの正常化に寄与するという、運営担当とユーザ
の壁を取っ払う効果もあるようです。
枝松パネラからは、会社の制度に関する問題を取り上げるコミュニティがあり、そこでのやり取りが
きっかけになって実際に制度が変更されたとのことですが、ポイントとしては、何でもすぐ修正する
のではなく、何がどのように問題なのか社員同士で話し合うことが組織の健全性を保つことに寄与
するのでは、というコメントがありました。
福岡モデレータから、EGMに関しては、場が出来て何かが生まれるのではという期待フェーズから
今まで話に出たような効果が実際に見えるフェーズに至る必要があるとのコメントがありました。
しかし、EGMの効果は、パネラの事例がそれぞれ異なっているように、企業の特性や環境によって
変わってくるものと思われます。それをうまくEGMの効果として一般化できるかが、EGM-WGの
役割かもしれません。
ここで、池内パネラからプレゼンいただきました。
池内パネラからは、高い山を作るためにはまず裾野を広げる必要があると考えてユーザ数、投稿数
を増やすように図ったが、それだけでは効果が上がらなかったため、EGM上で出たアイデアを
ビジネスやサービスに結びつけるサポートの仕組みを作られたそうです。その仕組みにより、実際に
成功例が出てくるとさらにEGMの活性が進み、また新たな成功例が出てくるという「正のスパイラル」
になってきているそうです。また、EGM上にソフトウェア公開プログラムを設置し、コミュニティを活用
した反復的な開発も行っているとのことでした。
なお、NTTのEGM「知恵の和」は、ボトムアップで立ち上がり、その後、上層部に認めてもらえる
ようになって、専任者を置いて運用できるようになったとのことでした。
戸上パネラからは、社内ポータル上に掲示板を導入し、その後、ブログ、共用備品の予約一覧表
など業務に必要な機能を集めた結果、社員のポータルへのアクセス率、アクセス頻度が上がり、
そこでブログや掲示板の更新を見つけると読みに行くという状況になっているそうです。特に、中間
管理職の方々も、日報の分析システムを入れて部下の営業状況を把握するようになってから
ポータルへのアクセス頻度も上がり、掲示板やブログにも目を向ける機会が増えてきたようで、
業務に直接的なメリットのある環境を作ることが重要とのことです。
福岡もモデレータからは、その辺の仕組みはビジネスインテリジェンスと言えるのではないか、との
コメントもありました。
最後に福岡モデレータより、今後、セクショナリズムで情報を抱え込んでいる中間管理職よりも
どんどん書いていく社員が社内に対する影響力を持つようになるかもしれない、日本の大企業は、
社内の組織の壁すら超えられていないが、今後は、派遣社員、関係会社、販売代理店、ビジネス
パートナーさらには株主などを含めてディスカッションできる場が必要となっていくのではないか、
enNetforumも、EGM-WGも、企業の壁を越えて新しいものを生み出せるように活動していので、
EGMを運営して悩んでいる色々な企業に参加いただきたい、とのコメントがありました。
今回は来場者の皆様から、「ぜひ続きを!」、「事例集を!」といった要望をいただきました。
また、近いうちに、何かできればと考えております。




