2006年10月
最近、Lingerというチャットシステムが公開されました。http://www.lingr.com/
開発者は、CNETのブログでも有名な江島健太郎(kenn)さんですね。
ご本人が登場するチャット部屋:http://www.lingr.com/room/f6PJ2pCpzTi
kennさんのブログ(CNET):http://blog.japan.cnet.com/kenn/
このチャットシステムの特長は、ログがアーカイブとして利用できること。
チャットを上にスクロールし、「Read messages from the archives...」をクリックすると最近のログが、
このログ画面の右上のカレンダーをクリックすると、その日のログが見られます。
画像やYouTubeなども簡単に貼り付けられますね。
以前も書きましたが、社内でイノベーションを生むシステムの要件として、以下が挙げられます。
・画像なども自由に扱える
・過去の会話の経緯を、時系列的に見られる
・現在の会話を傍観者が、自由に見られる
・傍観者が、好きなタイミングで会話に参入できる など

知らない社員も自由に参加できる、アイデアを交換できる、そしてそのログを活用できる環境が
従来は存在し得なかった関係やコミュニケーションを生み出す源泉となると期待されますね。
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2006年10月
梅田さんのブログに、毎日新聞火曜日夕刊コラムに書かれた、福沢諭吉を例にとった
情報発信のあり方の記事が紹介されてています。受け手を意識した情報発信が重要と
いうことですね。
http://d.hatena.ne.jp/umedamochio/20061025
しかし、野村一夫さんの「社会学感覚」では、マクウェールの言葉を引用して、
「コミュニケーションの意味を決定するのは本質的に「受け手の反応」であること。
その点で「受け手」はコミュニケーションの「始発者」(initiator)でもあるのだ。」
と書かれています。
http://www.socius.jp/lec/10.html

どんなに受け手を意識した「情報」を発信しても、受け手が積極的に受け取らなければ
コミュニケーションは始まらず、「ノイズのばら撒き」になってしまいますね。
社内ブログ・SNSにおいても、もちろん、受け手を考えた情報発信は重要ですし、情報発信が
なければ何も始まりません。
しかし、読者が優れた受け手になること、コメントや引用・トラックバックにより、
積極的にコミュニケーションを生み出すことも、また重要と考えています。

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2006年10月
ここで会場から、社内SNSを運営しているが定量的な効果測定方法がないかという質問が
ありました。
これに対し福岡パネラからは、現状としては利用者数が増えている、投稿数が増えていると
いうデータしか出ていないが、そこから事業に結びついているという数字、成功事例の数が
出せれば良いと考えていると発言がありました。なお、社内の風通しが良くなったというような
目に見えない効果もあり、その辺りも測れるようになればと考えているとのことでした。
池内パネラからも、上層部からは何が成果か問われるため、目に見える成果を出していく
必要がある、特許やビジネスに結びつけばと期待している、との意見がありました。また、
奈木野パネラは、近々、効果測定の機能を盛りこみ、事務処理的な業務に関する削減時間数
などを出したいという発言がありました。特に、目的を設定した上で、導入期と定着期に分けて
比較するとのことです。
結局のところ情報化投資ですから、経営者から何らの具体的な成果を求められるのは仕方あり
ませんね。具体的な導入効果に関しては、enNetforumとしても追求したいと考えております。

前回の研究会の報告は以上ですが、次回の研究会を11月21日に開催する予定です。
近々、案内を開始しますので、ぜひとも、ご参加をよろしくお願いします。
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2006年10月
ここで、中島コーディネータから、社内ブログ・SNS上の情報はどこまで守秘が必要であるのか、
情報管理の課題が出されます。
福岡パネラは、オープンにするか、クローズにするかは悩ましい問題であるが、情報発信の際、
上司の承認を不要とし、情報発信が自由できるようにすることが重要であると発言しています。
上司承認制システムでは従来と変わらず、企業のイノベーションを実現できないということでしょう。
また、本当はこのようなツールを利用して他社とも情報交換ができると良いとの意見もありました。
これはまさにWeb2.0的な発想であり、企業同士が競い合う前に、企業協力により市場を作ることが
重要というenNetforumの基本方針とも一致しています。
池内パネラは、イントラネット利用者のセキュリティは自由度が高く、社員以外の人のアカウントも
あるが、コミュニケーションシステムについては、社員以外も見られると情報発信が妨げられるので、
社員の認証を行っているとのことでした。また、グループ会社については、紹介制により参加を可能
としているとのことでした。
また奈木野パネラからは、部門だけでクローズ、研究所だけクローズなど範囲を区切り、それぞれ
のルールに従って運用することが必要との発言がありました。蓄積された情報をどうナレッジとして
活用するかという以前に、どのように蓄積させるかが先決。業務情報を無条件で出すことはありえ
ないが、意見は自由に出せるようにしており、今のところ問題も起きていないとのことでした。
中島コーディネータからも、自社でも社長から、新規事業化に関連しないアイデアであれば積極的
にオープンにするように言われており、アイデアをオープンにすることにより失敗が少なくなるとともに
実現もしやすくなるという意見がありました。この辺は、Web2.0のThe Wisdom of crowds"的な発想
に近いと思われます。
オープンな空間で発言を制限するか、クローズな空間とするかわりに発言の制限を緩くするか、
場合によって使い分けることが、アイデアや情報の発信促進のカギのようですね。

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2006年10月
ここで中島コーディネータより、社内ブログ・SNSに参加してほしい人が参加してくれているか、
参加してくれたとしてもどうやったらその人の知識を共有できるか、との問いかけがありました。
これに対して奈木野パネラからは、導入当初はとにかく何か書いてもらうことに苦労するが、
その内に良いことを書く人、ピントがずれている人などが出てくる、しかし本当に参加して
欲しい人は多忙なため参加は難しいという発言がありました。また、ベテラン営業の知識、
経験、勘所などはなかなか出てきませんが、何らのテーマを用意するなどのきっかけで
出やすくなる、との説明もありました。
次に、中島コーディネータより池内パネラに対し、社内コミュニケーションシステムにおいて、
コーディネータがどのように活躍していくか、その仕組みについて質問がありました。
これに対して池内パネラより、いくつかのコミュニティでは専任スタッフが手伝い、いくつかでは
熱心な人がいて自主的に運営するなど、コミュニティ毎に異なる状況であると説明がありました。
自身の業務に密接に関係しているコミュニティは比較的スムーズに運用されており、仕事と
直接関係ないコミュニティでコーディネータの役割を熱心に果たしている人もいるとのことでした。
ここで中島コーディネータより、社内ブログ・SNS導入企業では社員の成果の上げ方が変わって
きており、蓄積してきた経験知を社内ブログ・SNSでの発言やコミュニティのコーディネートという
形で会社に還元し、寄与するようになっているのでは、という推測が述べられました。
これに対し、福岡パネルは、高い知的生産性を求められ、かつ環境変化が早い業界は
社内ブログ・SNSが有効であり、NECでは80%は定常業務、20%は創造的な業務と設定されて
いるが、それを逆転させる可能性がある、と述べています。福岡パネラは前回の研究会で、
Web2.0企業は人事評価制度改革か、世代交代かどちらかが起きないと実現できないと述べ
ましたが、今回は、他の社員の役に立つ情報を出すことが業務として、また個人の業績として
認められるべきとの指摘もありました。
また、中島コーディネータより、ビジネスにおいてはアイデアをオープンにすることが重要であり、
自分の島の中に閉じこもっている人をどう参加させるかについて、パネラに問いかけがありました。
これに対し、池内パネラからは、コミュニケーションが活発な人は、例外なく本業も非常にできる人
であるので、参加は進むのではとの発言がありました。
以前、Web2.0の特集も行いましたが、インターネットやWebが企業や家庭まで広がった結果、
インフォーマルな情報共有が良し悪しに関わらず進展し、インターネットを駆使している人として
いない人の情報格差は著しいものがあります。企業でも同様に、知的生産性を求められるほど
社内ブログ・SNSの活用が必須となり、利用の有無による情報格差が拡大するかもしれませんね。

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2006年10月
大変、遅くなりましたが、第4回SNS, blog, RSS, Wiki等を活用した業務改革研究会
「ブログ2.0/ブロガー2.0」-社内コミュニケーションの将来像-のパネルディスカッション
の結果をアップいたします。
今回は、コーディネータとして、インプレスR&D インターネット生活研究所所長の中島さん、
パネラとして、事例紹介をいただいた日立製作所奈木野さん、NTT池内さん、およびいつも
ご参加いただいているNEC福岡さんに参加いただき、「ブログ2.0/ブロガー2.0」という観点で
ディスカッションをいただきました。
初めに、コーディネータの中島さんから来場者に方々に問いかけがありました。
ブログ、SNSを利用する環境があるか、の問いに関しては多数の方が挙手されたのですが、
利用状況に関しては、うまくいっていない方がかなりいらっしゃいました。来場者の方々も
課題を実感されていると思われます。
ディスカッションでは、まず中島コーディネータより、社内ブログでは書き込む人が特定され、
全体的に盛り上がらりにくい状況にどのように対応しているか、という質問が出されました。
これに対し、奈木野氏パネラより、ルーチン業務として利用していない場合は参加率が低い
場合もあるが、顧客の事例では業務日報的な使い方をしているために、ほぼ全員が使用
しているケースもある、とのことでした。業務日報では上司にアドバイスを求めることも多く、
上司がどのように返すかがポイントのようです。
また、池内パネラからは、特定の人の投稿の効果が高く、読み手側のニーズもあるが、
そのような状況ではニューカマーの敷居が高くなってしまう、その矛盾をどのように両立
させるかが課題ということでした。
そこで中島コーディネータより、偏りの解決には、システムではなくユーザの意識改革や
運営側の演出もしくは会社の制度やインセンティブなどが必要か、もしくは工夫を施しても
よく使うのは2割程度というパレートの法則は変わらないのか、という問いかけがありました。
これに対し、福岡パネラは、企業の全部門の全社員がweb2.0化する必要はないのではないか、
日々の業務に追われている多忙な社員はブログを書く余裕が無いのでコメントだけの参加でもよい、
という意見がありました。NECさんのブログでは、新規投稿よりコメントが多く(月に記事投稿 500、
コメント 2500)、また”へーボタン”でさらに参加しやすくしているという「システム面での工夫」
が施されているそうです。

「情報共有」を目的と考えれば「発言者」=「情報発信者」となるのは自然ですが、それでは
「コミュニケーション」という目的は達成できませんし、新しい人が参加しにくい。そこで、日常業務
に組み込んだり、手軽に参加できる仕組みを組み込んだりすることにより、参加者も増やすという
試みが効果的なようです。
(つづく)
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2006年10月
Web2.0で有名な梅田さんのブログに、最近の若者の待ち合わせ方法に関するトピックがありました。
時間を決めずに「七時ごろに渋谷で」といったアバウトな約束をし、後は現地についてから携帯電話
で連絡するという手段ですね。
http://d.hatena.ne.jp/umedamochio/20061018
私も梅田さんと同世代ですが、オフ会ではこのような待ち合わせはよくあります。
毎回、誰かしら遅れてくるので、「秋葉原駅前に5時」=>「PCショップの中に5時頃」
=>「秋葉原に5時くらい」と変化しています。
実際には1時間以上、遅れる人もいますから、会社の打ち合わせではあり得ないですね。
このように、各人の都合に合わせた自由な「参加」というのは、社内ブログ・SNSにおける
コミュニケーションのスタイルに近いと感じています(「インターバル・コミュニケーション」とでも
呼ぶのでしょうか)。
電子メールはその場で返信しないとそのまま埋もれてしまいますし、メーリングリストもちょっと
前のメールを掘り起こして投げかけるのは他のユーザに「今さら感」を与えるような気がします。
それに対して、社内ブログ・SNSには本人の想いや意見が時系列的に蓄積されており、
その人のパーソナリティの鏡像とも言えますから、ふと相手とコミュニケーションしたいと
思ったときに、社内ブログ・SNSにメッセージを書き込む、というスタイルなワケですね。

携帯電話同様、社内ブログ・SNSも新しいコミュニケーションのスタイルを作り出している
のかもしれませんね。
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2006年10月
前回は、グループウェアや社内ブログ・SNSを、「集約的」なシステムと
「発展的」なシステムに分類しましたが、今回は、コミュニケーションについて
分類してみました。
電子メールやインスタントメッセージ等のシステムは、誰かに連絡したり、
書類を送るなど、「個々の目的達成」に最適と考えられます。

これに対し、社内ブログ・SNSやメーリングリスト等のシステムは、たくさんの社員
の間で想いや情報を共有したり、今まで知らなかった社員や情報を巻き込むという、
既存の組織や人間関係といった「枠を越えた展開」に最適と考えられます。

これゆえ、社内ブログ・SNSのようなシステムを運用する際、「利用範囲は部署内のみ」、
「既存の担当業務と異なるトピックは禁止」など、杓子定規な対応は、社内ブログ・SNS
の効果を失わせてしまいます。
とはいえ、効果がはっきり見えないのに「雑談OK!」というわけにもいかないでしょうから、
まずは効果を数値化することが重要です。近々、社内ブログ・SNSに関するアンケート調査
を行いたいと考えています。
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2006年10月
社内ブログ・SNSとグループウェアはどのような関係にあるのでしょうか。
グループウェアと融合すべきでしょうか、部分的に取り込むべきでしょうか。
事務局で検討してみました。
下表は社内ブログ・SNSとグループウェアの特性比較です。
オライリーさんのWeb2.0/Web2.0比較表をマネています。

上表より、両者は性格が異なる要素がかなりあることが分かります。
両システムを融合しても、効果は低いかもしれません。
業務支援システムを上表の性格を基に分類した図を以下に示します。

上の領域のシステムはデータを集約し、業務を効率化する方向に、下の領域のシステムは
アイデアや人間関係を展開し、イノベーションを起こす方向に働くシステムと考えています。
恐らく、現在の業務の改善ばかり考えたり、その業務に関する情報しかチェックしていないと、
業務効率化は進みますが、イノベーションは怒らないと想定されます。それは、プラスにせよ、
マイナスにせよ、業務を大きく軌道変更させる「力」が働かないからですね。

しかし、ブログやSNS、メーリングリストなどでは、社内の知らない人が予想もしなかった
レスポンスを返す可能性があります。そこで生じる人の繋がりや思いもよらぬ情報が「外乱」
となり、ワークスタイルを全く異なったフェーズにシフトする可能性があると期待しています。
(良い方向ばかりとは限りませんが)

社内ブログ・SNSとグループウェアを独立・連携したシステムとしてデザインするとともに、
「両者が揃わなければ企業のイノベーションは起きない!」と、ユーザ企業の経営層に
アピールできると良いと思います。次回の研究会では、このような検討成果の公表も
行いたいと考えています。
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2006年10月
前回研究会の結果のアップが遅れていて申し訳ありません。
講師の方々のご意見をすべて確認でき次第、アップする予定です。
さて、以前書いたように「Web2.0」とは、誰でもインターネットやWebを利用できるように
なった環境変化によって生じた改革的な潮流と考えられます。そのような環境においても
なお、インターネットやWebを利用できない人々に対し、政府は「デジタルデバイド対策」と
いっていますが、企業に限っていえば、もはやその問題は小さいと思われます。
むしろ、問題は「嗜好のデジタルデバイド」と思います。

メールやWebくらい使えるけど、「人間、顔を見て話さなければ、肝心なことは通じん!」
とお考えの方は少なくないと思います。「ネットが使えれば、会議なんて不要!」という方も
少なくないと思います。
これは、政府がいう「デジタルデバイド」とは異なる、「嗜好」や「性格」に基づいた差であり、
どちらが正しいとか、上図の真ん中に寄せようということは難しいと思われます。
しかし、上司の嗜好によって、「会議ばっかり」とか、「連絡は全部ネット」になるのも
どうかと思われます。
情報技術は、
「各地のメンバーと会議をしたい」=>「Web会議システム!」
「この書類を急いで地方事務所に届けたい」=>「電子メール添付!」
というように業務を改善してきましたが、上記のようなワークスタイルに対する「嗜好」の差
を埋めることはできるのでしょうか。社内ブログ・SNSは何らの可能性を秘めているのではと
現在、検討しているところです。
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