2006年08月
先日の「創発」と社内ブログに関して、簡単な例を考えてみました。
興味がある日記を読んだときの基本的な行動ルールを定めるとします。
例えば、ルールを以下のように定めた場合の各々のケースを想定してみます。
ルールA 特に、なにもしない
ルールB 興味がある日記には、コメントをする
ルールC 興味がある日記は、引用し、トラックバックを送る
ルールD 興味がある日記は、引用せずに、新しく日記を書く
さてここで、Aさんが日記を書き、Bさん、Cさんが興味を持った場合について
シミュレーションしてみます。

1.ルールA:「特に、なにもしない」
これでは、Aさんの読者でない人には伝わらないし、Aさんも書く気がなくなりますね。
2.ルールB:「興味がある日記には、コメントをする」
Aさんの読者は、この日記が人気があると判断し、じっくり読もうと思うのではないでしょうか。
Aさんもうれしいと思いますが、Aさんの読者でない人に伝わらない状況は変わりませんね。
3.ルールC:「 興味がある日記は、引用し、トラックバックを送る」
ブロゴスフィアが最大の状態です。誰かのブログの読者であれば、この話題を発見できますし、
Aさんの読者でない人も、リンクを辿ってオリジナルであるAさんの日記を読めますね。
4.ルールD:「興味がある日記は、引用せずに、新しく日記を書く」
誰かの読者であればこの話題を発見できますが、相互リンクがないので、複数のブログの読者でないと
この話題が旬なのかわからず、日記同士の関連も見出せないと思われます。
なお、興味が無い記事にも必要以上にコメントしたり、引用・トラックバックを行うと、
読者としても、何が旬なのかわからなくなりますね。
初心者にやる気をもってもらうとか、お付き合いとか、ほどほどが良いのかもしれません。
単純に、
・興味がある日記は、できるかぎり引用して日記を書き、トラックバックを送る。
・時間がない場合には、コメントだけでも付ける。
・興味がない日記への対応とは、メリハリをつける。
というルールを個々のブロガーが持つだけでも、ブロゴスフィアという組織化された性質が発生し、
読者にメリットがある効果が発揮されると期待されますね。
投稿者 事務局 遠山 : | トラックバック
2006年08月
iUGさんのSNS(http://iug.typepad.jp/)で書いた内容ですが、こちらでも。
「創発」というのは、はてなでは「部分の性質の単純な総和にとどまらない
性質が、部分が組織化することによって発生すること。」とあります。
女王アリが命令するわけでもないのに働きアリが効率的にエサを集めたり、
鳥がきれいな群れをなして飛んでいるのは、実は個々のアリや鳥が
いくつかの単純なルールにしたがって無意識に行動している結果だそうです。
アリの話は、アクセンチュアの方のこの記事、
http://www.atmarkit.co.jp/im/cpm/serial/emer02/emer02b.html
創発をマネジメントに利用した事例は、同じ方のこの記事が面白いですね。
http://www.atmarkit.co.jp/farc/rensai2/emer01/emer01a.html
「創発」をブログで考えると、以前、紹介したブロゴスフィアですが、
http://www.ennetforum.org/blog/toyama/web20/web20_1.html
ブロガーが、
・いま一番興味がある分野の日記を書く
・いま一番興味がある分野の日記にコメントを付ける
・いま一番興味がある分野の日記を引用し、トラックバックを送る
という単純なルールを守れば、ブログ同士のリンクによりブロゴスフィア(話題の塊)が
大きくなります。
すると、初めて立ち寄った人がブログをながめても、玉石混淆の情報の中から
いま一番、旬の話題を簡単に見つけることができます。
これは「創発」といえるのではないでしょうか。

しかし、それぞれのブロガーが「自分がオリジナル」と主張したくて、
他人の日記を引用せずに日記を書くと、相互リンクのないバラバラな日記が
乱立することになり、ブロゴスフィアはできませんね。
上記の3つのルールを守るだけでも、効果がありそうです。

さて、アリと鳥ですが、行動は似ているものの、その効果は異なります。
鳥の群れの方は、危険を早く察知したり、先頭の鳥が風除けになって、
効率的に長距離を飛行するというように、群れに参加している鳥が直接、
恩恵を受けるものです。人間では、コミュニティの助け合いに例えられますね。
これに対し、アリの「創発」は、女王アリを頂点とする組織に最適な結果を
もたらすもので、会社のために働く社員に似てますね。
経営者がいくつかのルールを社員に提示し、「これさえ守れば、社内ブログに
何を書いても良い」と言う。社員はルールの意味がよく分からないが、
とにかく守って社内ブログを利用していたら、気づかないうちに会社の利益が
上がっていた、という「創発」効果は実現できないでしょうか。
なお、富士通総研さんのWebページで、「ブログ・SNSの創発的特性と組織への
インパクト」というレポートが公開されてます。
http://www.fri.fujitsu.com/jp/modules/report/list_04.php?list_id=10634
上記の意味での創発とは、少し違うようですが、参考となるデータが満載です。
投稿者 事務局 遠山 : | トラックバック
2006年08月
先週、避暑地からの帰り、高速道路で渋滞が発生していました。
カーナビの案内に従い、高速道路から降りて一般道を走りましたが、
案内ルートが頻繁に変わり、同じ道を行ったり来たり。
同じ道路を三往復した所で、カーナビの故障と考え、再度、高速道路
に乗ったところ、渋滞とは言え、比較的順調に帰ることが出来ました。
そこでふと気がつきましたが、都内のように出発点も目的地も
バラバラの状況であれば、カーナビの渋滞迂回案内は有効ですが、
高速道路のように何十万台もの車が同じ目的地を目指した場合、
同じ機種のカーナビは同じ迂回ルートを一斉に示すことになります。
当然、裏道にたくさんの車が詰め込まれ、カーナビはルートを修正する、
この繰り返しにより、同じ道を行ったりきたりさせられたと想定されます。
高速道路が比較的順調だったのも、カーナビが一斉に高速道路を降りるよう
指示したためと想定されます。

これは「最適解の共有は最悪の結果をもたらす」という事例と考えられます。
個々の企業が顧客確保のために競って提供するユビキタス的なサービスが、
社会全体では問題を引き起こす可能性があるということです。
例えば、今週末、最も素晴らしい景色を見られる観光スポットの情報を
インターネットの観光案内サイトや携帯電話、カーナビで紹介すれば、
大混雑になることが想定されますね。
また、地震予知情報が携帯電話やカーナビで提供されたら安心と思いますが、
デパート内で携帯電話が一斉に地震予知情報を通知したら、どうなるでしょうか。
高速道路で一斉にカーナビで地震予知情報を通知したら、どうなるでしょうか。
ユビキタス社会では、誰でも「タイムリー」かつ「平等」に情報を得られるべきと
思いますが、それが不幸をもたらさないように考えることが重要ですね。
この間、デパートの中で火災報知機のベルが鳴りましたが、みんな知らん顔。
私も「どうせ誤動作だろう。本当ならすぐに店員から指示がある。」と思ってました。
信頼性が低いゆえに、スムーズに機能するというのも皮肉な話です。
投稿者 事務局 遠山 : | トラックバック
2006年08月
ブログやSNSで、何か意見や考えを書き込むと、「こういう説もあるよ」
「この本、読んでみたら?」といったコメントをいただくことがあります。
たくさんの人の目で見てもらうことにより、自分ではよく知ってるつもりだった
ことについて、実は「知らなかった」と知ることは、大切と思います。

社内ブログであれば、他の社員も読んでいますから、みんなが当たり前と
信じている誤りを修正するのにも、有用ではないでしょうか。
それを「恥をかいた」、「もう投稿するのをやめよう」と思ってしまうと逆効果ですね。
コメント側も、「こんなことも知らないのか」みたいに責めたりせず、
「ひとつ勉強になったね」と、前向きに評価することが大切と思います。
ところで、社内ブログの内容はいつまで残るのでしょうか。
20年前、新入社員時代に恥をかいたログがそのまま残ってると、
ちょっと恥ずかしいですね。

初心に帰る意味では大切ですから、古いログは自分だけ見られるようにする
などの工夫が必要かもしれません。
投稿者 事務局 遠山 : | トラックバック
2006年08月
哲学者の方々は、人間の欲望は動物と比べて複雑と言います。
確かに「お腹が一杯になったら満足」という動物とは違いますね。
-人間の欲望は複雑-

社内ブログについても、そのままではやる気のない社員も、
人気ブログを書いている人を見て、「人気ブログを持ってて羨ましい」
と他の社員に思われたくて、ブログを始めるかもしれません。

社内ブログのインセンティブは、報酬や評価より、もっと「人間の欲望」
をうまくコントロールすることで高められるかもしれませんね。
投稿者 事務局 遠山 : | トラックバック