自分で使ってみなければ何も分からない
2006 0526
ネットの世界で起こっていることは、自分で実際に使ってみて、体験してみなければ本当に理解できたことにはならないのではないかと感じています。お店の店頭で売っているリアルな商品であれば、それを実際に手にとってみて、概観を見て、お店の人に説明を聞いたりして、何となく分かった気にはなるのですが、ネットの世界は、それがパソコンの画面などを介してバーチャルの世界に自分から入り込むことで体験することができるわけです。
先日、とあるセミナーで講演者の方が300人の聴衆に「この中でWeb2.0という言葉を聴いたことがある人は?」と聞いたところ、ほとんど全員が手を上げたのですが、「それでは、Web2.0ってどういうことだか分かっている人は?」と質問しなおしたところ、手を上げたのは私を含めて2人だけでした。その瞬間は少し驚いたのですが、聴衆の大半の方が年配の方々だったことから、「この人たちはきっとブログなんて書いたことがないんだろうな。。。」と思い、妙に納得してしまいました。
最近、私の周辺でも「Web2.0について教えて欲しい。」というような方が次々に現れるのですが、Web2.0を取り上げたネットの記事や雑誌の記事を断片的に読んでもみても、そこに書いてあることは理解できるのだけれど、結局Web2.0ってどういうことなのか良く分からない。ましてや、自分の関わっているビジネスにどういう影響を及ぼすのか、あるいは積極的にWeb2.0的な活用をすることによって、どういう効果があるのかはさっぱり、という感じのようです。
そこで、まずWeb進化論を熟読してみます。あるいは、Web2.0 Bookとか最近は色々な解説書が出始めていますから、それらを片っ端から読んでみます。「そうか、本当の変化はこれから始まるのか。」と何となく分かったような気がしてくるかもしれませんが、実はまだ何も分かっていません。自分で使ってみていないからです。「いや、Googleのサービスとか使ったことあるよ。」と言われるかもしれませんが、違います。ブログを色々と読んでみます。SNSに参加してみて、どんな人がどんなことを書いているのか一通り読んでみます。「ふーん、なるほど。日記に対して、他の人が意見を言ったりしてるのか。」しかし、ここまで来ても実はまだ何も分かっていません。「自分から情報発信する」といことを体験してないからです。「コメントとトラックバックの違いって何だか良く分かんないや。」という方は結構多いのではないでしょうか。
自分でブログを書き、コメントされ、トラックバックされ、また自ら他の人のブログにコメントを書いたりトラックバックをしたりしてみてはじめて、この世界で何が起こっているのか、ブログやSNSでどういういいことがあって、どんな問題が起こるのか、ということが分かってくるような気がします。RSSにしても、Wikiにしてもそうです。人から説明を聞き、解説書を読んだだけでは、実はまだ何も分かっていないのだ、と考えた方がきっと正しいのではないでしょうか。
Web2.0を特徴づけるキーワードとして、「Rich User Experience」という言葉があります。リッチなユーザ体験。最近、私胃が最も気になっている言葉です。もちろん、O'reillyの定義した「Rich User Experience」は、「Javascript、DHTML、AJAXなどの技術により、クライアントサイドでリーッチなユーザインタフェースを持つアプリケーションを開発者が簡単に実装することが出来、それを利用者が誰でも使えるようになる」というような技術的な話なのですが、私は、もっと広義の、そしてもっと重要なRich User ExperienceがWeb2.0の世界にはあり、それを自ら進んで体験していこうとする人と、「日々の業務が忙しく、とてもそんなことはやってられない。」と目を閉ざしている人との間には、どんどん大きな差が広がっていくような気がしてなりません。
そして、その自ら進んで参加し情報発信をしていく人達のアウトプットの集合が、ソーシャルデータベースとして非常に大きな価値を持つ。そのソーシャルデータベースをまた多くの利用者が使って、新しいものが次々と生み出され、そこに正のサイクルが生まれ、更に素晴らしい世界が広がる。Web2.0とはきっとそういうことなんだろうな、と最近は感じています。
投稿者 福岡 : 2006年05月26日 20:21
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